メトリクス? オプティカル? 文字間のカーニング。

先日、他のデザイナーさんが制作したサイトのもとデータ、Adobe Photoshopのデータを見れる機会があって気づきました。何年も使っているのに、今さら気がつきました(^^;
文字ウインドウの中に「V/A(文字間のカーニングを設定)」という項目があって「0」などの数値、または「メトリクス」「オプティカル」を選ぶことができるようになっています。
Adobe Illustratorは「メトリクス」「オプティカル」それに加え「和文等幅」が選べるようになっています。

私はいつも手入力で文字間を調整していて、「メトリクス」「オプティカル」には設定したことがなかったので調べてみました。普段、耳にしないワードです。

(↑Adobe Frescoで描いてみました^ ^)
デザインの仕事でPC(主にMac)を導入し始めた1990年前後、普通に使われるようになったのはその何年か後だったと思いますが、その前は、手作業でデザインの版下を作っていて、文字は「写植」を使っていました。
写植とは、書体(フォント)・文字の級数(ポイント数)・行間などをどれにするのか指定して「写植屋さん」に文字原稿を渡して、文字を打ってもらうものでした。白い印画紙に黒い文字で仕上げてくれます。
それをカッターで切り取って、剥がせるスプレーのりで版下に貼って、手作業で文字間のカーニングをしていました。今思うと、気の遠くなる作業です。

その作業をしていたせいもあって、Macを使っている現在でも、紙媒体の場合は同じように一文字ずつ文字間をチェックしています。

メトリクス [metrics] とは、文字デザイナーが意図した通りに、特定の文字が並んだときの間隔が自動的に調整される文字詰め、
オプティカル [optical] は、文字の形状に基づき文字間のスペースを調整する文字詰め、とのことです。

Illustratorで「メトリクス」や「オプティカル」を指定してみると、一瞬で整います。
詰まりすぎている場合には、「V/A(文字間のカーニングを設定)」の右隣にある「V<->A(選択した文字のトラッキングを設定)」で全体の文字間を等間隔に広げることができます。
こちらを使いながら、最終的に、詰まり過ぎのところを開けたり、広がりすぎのところを詰めたりすると便利です。

WEBデザインの場合は、一文字ずつの調整はむずかしいと思いますが、CSSで文字間の調整ができるそうです。詰まりすぎても読みにくかったら、トラッキングを併用すればいいかもしれません。
「等幅」フォントは文字間の調整ができないようですが、「等幅」を使ったほうがきれいな場合もあると思います。数字の前後は開いてしまったりするので、むずかしいです。

今後は、Adobe Illustrator と Photoshop の場合、「メトリクス」「オプティカル」を使いながら、最終的には、自分の感覚でトラッキングを使いながら調整する、ということにしました。その都度、調整します。

Adobe Indesignになりますが「文字の間隔を読みやすく調整する」のページがありました。
https://helpx.adobe.com/jp/indesign/how-to/adjust-letter-spacing.html

Adobe Photoshop「行と文字の間隔」
https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/using/line-character-spacing.html

デザインとは何だろう。

ブックスタンド

私は、デザインの仕事にたずさわってから(ブランクの期間を除いて)合計すると約20年くらい。今は子育てをしながら、自宅でお仕事をいただいているので、年数は長くても時間にしたら短いのかもしれません。
今回、重い腰を上げてやっと自分のブランディングと、ホームページを作ろうと決めて、制作中です(^^;;

自分のアタマの中を整理するためにも、子どもに仕事の説明をするためにも「デザインとは」を自分なりに考えてみました。

高校2年生の時に、将来の進路を決めなければならない時まで「デザイン」という言葉にまったく無縁だったのですが、絵を描くこと、縫うこと、編むことが好きで、それを生かすための仕事が「デザイナー」という職業なんだと、おしえていただきました。

「デザイナー」になるためには、デッサンを学んで、美術大学やデザインの専門学校で勉強をして、デザイン会社で働くというのが一つの道筋ですが、その道筋でなくても、センスと行動力、学ぼうと思う強い気持ちがあれば、道が拓けて仕事や人とめぐり逢えるのだと思います。

まわりを見渡せば、家も、家具、カーテン、家電、洋服、食器、調理器…と生活に関わるすべてが、誰かによってデザインされています。道に生えてる雑草や、野鳥たち、昆虫、雲、雨、風は「自然」ですよね。

紋黄蝶の絵

現在お仕事をいただいているクライアント様は、私から「デザインはいかがですか」と営業したのではなくて、クライアント様から「デザインしてくれる方を探しています」という場合が多いです。デザインの必要性をわかっているのだと思います。

デザインとして必要とされていることは、どんなことでしょう。
*広告だったら、わかりやすい、インパクトがある、集客したい…
*商品なら、使いやすい、たくさん売りたい、おしゃれにしたい…
*食品は、安心・安全を伝えたい、美味しそうに見せたい…
*洋服であれば、着心地がよい、おしゃれ、バリエーションが豊富…など

使う人がどういうものが必要なのか考えたり、広告を見る人がどういう言葉なら、どういう写真なら魅力を感じてくれるか考えて、それをカタチにしていくことが「デザイン」だと思います。
制作する時は、自分も「好き」と思える方が、よりお客様にも伝えられると思うので、クライアント様の良いところをたくさん見るようにしています。
使う人たちを想定せずに、自分の作りたいものを作ったり、世の中にメッセージを伝えるための行動は「アート」「芸術」になるんでしょうか。でも自分の作りたいものが、多くの人たちの共感を得る場合もあります。
私も美術館や博物館でアート作品を観たり、演劇やライブも好きです。

今日に感謝をして、ひたすら前向きに、よい仕事ができるように努めてまいります。